○南但消防本部BC災害等に対する出動及び活動基準

平成25年4月1日

消防本部訓令第37号

1 目的

この訓令は、南但消防本部警防規程(平成25年消防本部訓令第27号)第9条に基づき、南但消防本部のBC(生物・化学)災害等に対する消防活動の基準について定める。

2 出動基準

(1) 出動

BC(生物・化学)災害等が発生し、傷病者の救出、救護の出動要請があった場合は、下記の出動計画に基づき出動する。

(2) 出動計画

出動別

署所別

出動車両

隊員装備品等

第1次出動

朝来署

タンク車

防火衣、化学防護服、タイベック防護服

空気呼吸器、3M防護マスク、ディスポ手袋、

救助工作車

陽圧式化学防護服、化学防護服、空気呼吸器

3M防護マスク

救急車

感染防止衣、タイベック防護服、ゴーグル

ディスポ手袋、N95・3M防護マスク

指揮車

防火衣、N95マスク、ディスポ手袋

生野出張所

出張所タンク車

本署タンク車

防火衣、N95マスク、空気呼吸器、化学防護服

ディスポ手袋、タイベック防護服、3M防塵マスク

救急車

感染防止衣、N95・3M防護マスク、ゴーグル、

ディスポ手袋

救助工作車

本署から出動

指揮車

本署から出動

養父署

化学車

防火衣、タイベック防護服

空気呼吸器、3M防護マスク、ディスポ手袋、

救助工作車

陽圧式化学防護服、空気呼吸器

3M防護マスク

救急車

感染防止衣、タイベック防護服、ゴーグル

ディスポ手袋、N95・3M防護マスク

指揮車

防火衣、N95マスク、ディスポ手袋

大屋出張所

化学車

養父署から出動


救急車

感染防止衣、N95・3M防塵マスク、ゴーグル

ディスポ手袋

救助工作車

本署から出動

指揮車

本署から出動

第2次出動

現場指揮本部の指示による

(3) 任務分担

出動車両

主な任務

タンク車

化学車

1次・2次警戒区域の設定、避難誘導、警戒筒先、隊員除染、1次トリアージポストの設定

救急車

2次トリアージポストの設定、被災者観察、応急処置、救急搬送

救助工作車

3次警戒区域の設定、事故拡大の防止、可燃性ガス測定、救助、現場保存

指揮車

現場指揮本部の設置、現場指揮、現場広報、非常招集の決定

3 活動基準

(1) 出動部隊は、風上又は風横からの侵入を原則とする。

(2) 出動部隊は、情報収集・検索活動・関係機関への連絡及び警戒区域の設定及び救急活動・救助活動・消火活動・資器材等搬送活動を実施する。

(3) 当務の責任者は、部隊の保有装備で実施可能な範囲で活動を実施する。

(4) 不審物の除去、検知、分析のための採取(サンプリング)は実施しない。

関係機関からの要請があった場合も同様とする。

(5) 関係機関が先着している場合は、関係機関と協議(消防隊の活動範囲、活動方針等の説明、活動資機材等の提供又は相互の情報交換等)し活動を実施する。

(6) 報道機関への情報提供は、現場指揮本部から通信を経由して行う。

4 関係機関連携要領(フローチャート参照)

通信指令室は、救助活動、救急活動及び災害医療における情報を収集し、別紙1の関係機関と連携を行う。

5 活動要領(出動部隊活動範囲)

(1) 情報収集要領

・ BC災害に係る情報収集活動は、傷病者の安全確保に重点をおいて実施する。

・ 関係機関がすでに情報収集を実施しているときは、当該機関への情報の提供を求める。

(2) 人命検索

・ 既に災害(傷病者の発生等)が発生していないことが確認できる場合は情報収集のみとする。

・ 部隊の装備力が劣る場合又は周囲の状況から判断して、高度の活動危険が予測できる場合は情報活動のみとする。

(3) 危険区域内での活動要領

・ 危険区域の侵入については、隊員2名以上で空気呼吸器及び陽圧式化学防護服を使用し危険性の高いところから活動する。現場指揮本部及び隊員間との交信はトランシーバーを使用する。

特に爆発危険のある場所への侵入は、爆発下限界の30%未満であることを確認し、援護注水を受けて活動する。活動要領については、別紙2、3のとおり。

(4) 関係機関との連絡調整

・ 原則として、BC災害に係る関係機関との連絡調整は通信指令室が行う。

・ BC災害を覚知した時は、関係機関への現場派遣要請を原則とする。

(5) 消防警戒区域等の設定

・ 被害の拡大防止を図るため、一般住民等の立入禁止区域を設定する。

・ 屋外にあっては、特に風向等の気象条件を考え、関係機関へ地域住民の避難措置等を講ずるように要請する。

(6) 除染要領

・ 隊員の除染は、B災害については除染セット保有消防本部の到着を待ち実施し、排水を水槽に保管する。C災害については警戒筒先からの放水により実施する。

・ 要救助者の除染は、B災害、C災害とも除染セット保有消防本部の到着を待ち実施し、B災害については排水を水槽に保管する。

6 応援要請

(1) 南但消防本部消防隊のみの活動で対応できない場合は、豊岡市、姫路市との消防相互応援協定又は、県下広域応援協定により応援要請を求める。

ア テロ対策資機材を保有する豊岡市消防本部、姫路市消防局に出動要請を行う。

イ 神戸市消防局のテロ災害専門出動部隊(ハズマットKOBE)の応援要請を行う。

7 その他

この基準以外の活動には、兵庫県が示したマニュアルにより対応する。

8 施行期日

この訓令は、平成25年4月1日から施行する。

但馬地区消防本部 特殊災害時における相互応援に関する留意事項

(平成24年3月1日作成)

本留意事項は、但馬地区内で発生した特殊災害において、但馬地区消防本部の各部隊が現場活動を安全かつ円滑に実施するために、下記の留意事項を示すものである。

ただし、本留意事項を原則とするものの、これによらない場合も思慮されるため、その場合は、現場指揮者の指示により、双方が連携を取って活動を行うこととする。

【留意事項】

(1) 応援要請する場合は、応援隊の早期現場投入を考慮し、本要請の前に情報提供の一報を入れる。

(2) 応援要請する場合は、受援消防本部の現場指揮所及び応援部隊の携帯電話番号を相互に交換し、現場到着までの有効な情報共有を図る。

(3) 応援部隊は、現場到着後必ず受援消防本部の現場指揮所に行き、事故概要、要救助者情報、現状活動内容等を確認後双方で以後の活動方針を決定する。

(4) 陽圧式防護服着装時の隊員間の情報伝達手段としては、消防携帯無線(県波)を使用する。ただし、消防携帯無線(県波)が使用できない場合は、トランシーバー・ホワイトボード等共通の伝達手段をもってそれに代える。

(5) 衣類等に不審物が付着している要救助者(除染対象者)を除染担当隊員に引き継ぐ場合は、不審物が付着している部位を指差し除染担当隊員に知らせること。(※除染最重点箇所とするため。)

(6) 除染テントへの送水は、65mmホースで、送水圧力0.3MPaを目安とする。

(7) 現場活動における、進入隊員の安全管理及び時間管理については、原則として自隊で行う。

(8) 複数隊が陽圧式防護服等を着装しホットゾーン等に進入する場合は、可能な範囲で進入前(呼吸器装着前)に双方で活動内容の調整を行うこと。

(9) 防護服やヘルメット等に消防本部名が明記されていない場合は、テープ等を利用し消防本部名を明記すること。(必要に応じて氏名等の明記も考慮する。)

(10) 除染テント前で多数の順番待ちが出来た場合で、除染者の衣服の切断を必要とするときは、除染テントに入れる前に衣服に切り込みを入れることを考慮する。

(11) 除染テントに要救助者(除染対象者)を入れる場合は、バックボードとスクープストレッチャーのどちらでもよい。

(12) 活動中の隊員に対して緊急退避を必要とする場合は、無線での一斉コール、ハンドシグナル、消防車両のサイレン等を利用することとするが、どのような方法で実施するかは、必要に応じて現場指揮所で事前に決定する。

危険区域内での活動用要領

ゾーンの設定

1 ホットゾーン(3次ライン)

(1) 危険区域

(2) 汚染区域

2 ウォームゾーン(2次ライン)

汚染が予測できる区域

3 コールドゾーン(1次ライン)

汚染されていない、されない区域

ホットゾーン

1 危険区域

(1) 可燃性ガス濃度30%以上が測定された地域

(2) 人体許容濃度(爆発下限界濃度の30%以上)が測定された地域

2 汚染区域

(1) 物質が目視で確認できる、曝露危険がある付近一帯

(2) 人が倒れている、うずくまっている付近一帯

(3) 簡易検知器により反応が出る付近一帯

(4) 小動物等の死骸や枯草等確認できる付近一帯

3 ホットゾーンでの活動

測定・救助・防護措置

ウォームゾーン

1 除染区域

(1) 物質が存在しない場所に、汚染された人や物(資機材等)が、あらかじめ来ると予測される場所、汚染の管理ができている付近一帯

(2) 1次トリアージ場所、除染所

2 ウォームゾーンでの活動

除染・救出救護・援護注水

コールドゾーン

1 消防警戒区域又は火災警戒区域

(1) 物質が存在しない場所

(2) 車両部署位置、2次トリアージ場所、指揮所、前進指揮所等

2 コールドゾーンでの活動

現場指揮・支援・トリアージ・応急処置・搬送

関係機関連携フローチャート

画像

別紙1

関係機関連絡先一覧表

(平成25年4月現在)連絡必要○●

機関

機関名

連絡先電話番号

第一報

物質判明

陸上自衛隊第3特科連隊

0792―22―4001


(財)日本中毒情報センター

072―727―2499

兵庫県

兵庫県企画管理部災害対策局災害対策課(昼)

078―341―7711

兵庫県企画管理部災害対策局災害対策課(夜間・休日)

078―362―9898

兵庫県警察本部警備部警備課

078―341―7441

朝来警察署警備課

672―0110

養父警察署

662―0110

但馬県民局企画調整部市町防災担当防災課

0796―26―3619

和田山健康福祉事務所

672―6863

医療機関

和田山医療センター

674―2021

梁瀬医療センター

676―3157

神崎総合病院

0790―32―1331

兵庫県但馬救急救命センター

(豊岡病院)

0796―22―6110

公立八鹿病院

662―5555

柏原赤十字病院

0795―72―0555



市立加西病院

0790―42―2200



加古川市民病院

079―432―3531



神戸市立中央市民病院

078―302―4321

福知山市民病院

0773―22―2101



朝来市医師会会長(足立医院)

672―0250

養父市医師会会長(井上医院)

664―0051

消防本部

神戸市消防局

078―333―0119

姫路市消防局

079―223―0003

豊岡市消防本部

0796―24―1119

美方広域消防本部

0796―92―0119

丹波市消防本部

0795―72―2255



北はりま消防本部

0795―22―0119



西はりま消防本部




福知山市消防本部

0773―22―0119



朝来市

朝来市役所

672―3301


生野庁舎

679―2240


山東庁舎

676―2080


朝来庁舎

677―1165


養父市

養父市役所

662―3136


養父地域局

664―0281


大屋地域局

669―0120


関宮地域局

667―2331


南但消防本部BC災害等に対する出動及び活動基準

平成25年4月1日 消防本部訓令第37号

(平成25年4月1日施行)

体系情報
第9編 防/第3章
沿革情報
平成25年4月1日 消防本部訓令第37号