一般廃棄物と産業廃棄物の分類について
1.廃棄物の定義について
- 「廃棄物」とは
ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物 又は不要物であつて、固形状又は液状のものをいいます。【法第2条】 - 「廃棄物」に該当するか
〇廃棄物とは、「占有者が自ら利用し又は他人に有償で売却することができない」ために
「占有者において不要になった物」をいう。
〇廃棄物に該当するか否かは、「その物の性状」、「排出の状況」、「通常の取扱い形態」、
「取引価値の有無」、「占有者(事業者)の意思」等を総合的に勘案すべきものであり、
排出された時点で客観的に廃棄物として観念できるものではない。
【公示等、平成11年3月10日最高裁第二小法廷判決】 - 「廃棄物処理法の対象外」は
〇気体状のもの
〇放射性物質及びこれによつて汚染されたもの
〇港湾、河川等のしゅんせつに伴って生ずる土砂その他これに類するもの
〇漁業活動に伴って漁網にかかった水産動植物等であって、当該漁業活動を行なった
現場附近において排出したもの
〇土砂及びもっぱら土地造成の目的となる土砂に準ずるもの
【法第2条、公示等】 - 「特別法との関係」は
廃棄物処理法は、固形状及び液状の全廃棄物についての一般法となるので、特別法の立場にある法律 (たとえば、鉱山保安法、下水道法、水質汚濁防止法)により規制される廃棄物にあっては、廃棄物処理法によらず、 特別法の規定によって措置されます。【公示等】
2.廃棄物の種類について
- 「一般廃棄物」とは
産業廃棄物以外の廃棄物をいう。【法第2条】 - 「家庭系廃棄物」とは (別称:生活系廃棄物、家庭系一般廃棄物など)
住民(家庭)の日常生活に伴って生じた一般廃棄物をいう。 - 「事業系一般廃棄物」とは
事業者の事業活動に伴って生じた一般廃棄物をいう。 - 「特別管理一般廃棄物」とは
一般廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずる おそれがある性状を有するものとして政令(第1条)で定めるものをいう。【法第2条】 - 「産業廃棄物」とは
事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、 廃プラスチック類その他政令(第2条)で定める廃棄物をいう。【法第2条】 - 「特別管理産業廃棄物」とは
産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものとして 政令(第2条の4)で定めるものをいう。 【法第2条】
3.廃棄物の処理責任について
- 「事業者の廃棄物処理」について
事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。【法第3条】 - 「事業者の産業廃棄物処理」について
事業者は、その産業廃棄物を自ら処理しなければならない。【法第11条】
4.産業廃棄物 (特別管理産業廃棄物を含む) の種類について
産業廃棄物の種類
根拠法令 | 産業廃棄物の種類 | 具体例 | 事業活動の分類 |
法第2条 第4項 |
1.燃え殻 | 焼却炉の残灰 | 全ての事業活動に伴うもの |
2.汚泥 | 泥状のもの | 全ての事業活動に伴うもの | |
3.廃油 | 動植物性油、洗浄油、食料油 | 全ての事業活動に伴うもの | |
4.廃酸 | 廃硫酸、廃塩酸、ホルマリン | 全ての事業活動に伴うもの | |
5.廃アルカリ | 廃ソーダ液、金属せつけん液 | 全ての事業活動に伴うもの | |
6.廃プラスチック類 | 廃発泡スチロール梱包材、廃ビニール、廃シート類 | 全ての事業活動に伴うもの | |
令第2条 第1号 |
7.紙くず | 右欄の事業活動で発生した 壁紙、障子、包装材、板紙、古紙 |
建設業、パルプ・紙又は紙加工品の製造業、新聞業、出版業、製本業、印刷物加工業 |
令第2条 第2号 |
8.木くず | 右欄の事業活動で発生した 型枠、内装・建具工事残材、伐採材、木造解体材業 |
建設業、木材又は木製品の製造業、パルプ製造業、輸入木材の卸売業、物品賃貸 |
令第2条 第3号 |
9.繊維くず | 右欄の事業活動で発生した 畳、じゅうたん、木綿くず、天然繊維くず |
建設業、繊維工業 |
令第2条 第4号 |
10.動植物性残さ | 右欄の事業活動で発生した あめかす、のりかす、醸造かす、発酵かす |
食料品製造業、医薬品製造業、香料製造業 |
令第2条 第4号の2 |
11.動物系固形 不要物 |
右欄の事業活動で発生した 獣畜、食鳥の固形不要物 |
と畜場、食鳥処理場 |
令第2条 第5号 |
12.ゴムくず | 生ゴム、天然ゴムくず | 全ての事業活動に伴うもの |
令第2条 第6号 |
13.金属くず | 鉄鋼、非鉄金属、研磨くず、切削くず、金属製のもの | 全ての事業活動に伴うもの |
令第2条 第7号 |
14.ガラスくず コンクリートくず 陶磁器くず |
ガラス類、レンガくず、廃石膏ボード、陶磁器くず | 全ての事業活動に伴うもの |
令第2条 第8号 |
15.鉱さい | 鋳物廃砂 | 全ての事業活動に伴うもの |
令第2条 第9号 |
16.がれき類 | コンクリート破片、アスファルト破片、れんが破片 | 全ての事業活動に伴うもの |
令第2条 第10号 |
17.家畜のふん尿 | 右欄の事業活動で発生した 牛、馬、豚、めん羊、にわとり等のふん尿 |
畜産農業 |
令第2条 第11号 |
18.家畜の死体 | 右欄の事業活動で発生した 牛、馬、豚、めん羊、にわとり等の死体 |
畜産農業 |
令第2条 第12号 |
19.ダスト類 | 集じん施設で回収したばいじん | 全ての事業活動に伴うもの |
令第2条 第13号 |
20. 上記の処理物 | 全ての事業活動に伴うもの |
(1) 上記の事業活動における「業」については日本標準産業分類による。
(2) 上記の廃棄物の種類「7.紙くず」、「8.木くず」、「9.繊維くず」、「10.動植物性残さ」、「11.動物系固形不要物」、「17.家畜のふん尿」、「18.家畜の死体」で
上記右欄の「特定の事業活動に該当しない場合」は、事業系の一般廃棄物に区分される。
(3) 家庭から排出された廃棄物は、すべて一般廃棄物に区分される。
5.特別管理一般廃棄物、特別管理産業廃棄物について
特別管理一般廃棄物について
「特別管理一般廃棄物」とは、一般廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものとして政令で定めるもの【法第2条第3項】【政令第1条】【省令第1条】等を参照のこと
特別管理産業廃棄物について
「特別管理産業廃棄物」とは、産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものとして政令で定めるもの【法第2条第5項】【政令第2条の4】【省令第1条の2】等を参照のこと
6.産業廃棄物 (特別管理産業廃棄物を含む) の具体的例示について
環境省の告示等により、具体的な例示をしています。
(1) 産業廃棄物(詳細版)について
事業活動における「業」については、日本標準産業分類によるものとなります。
※下表においては、分類( )欄に現行の日本標準産業分類の番号及び分類名称を記載しています。
1.燃え殻 (法第2条第4項) ※全ての事業活動が対象 |
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通達 (S46環整45号) |
〇燃えがら 〇電気事業等の事業活動に伴って生ずる石炭がら、灰かす、炉清掃掃出物等が代表的なものであり、 〇集じん装置に捕捉されたものはダスト類として令第二条第十二号に掲げる産業廃棄物として取り扱うものであること。 〇その他熱エネルギー源を物の燃焼に依存している場合の焼却残灰、炉清掃掃出物等についても同様の取扱いとするものであること。 |
通達 医療機関の廃棄物 |
〇医療関係機関等から排出される産業廃棄物の具体的例示 焼却灰 |
2.汚泥 (法第2条第4項) ※全ての事業活動が対象 |
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通達 (S46環整45号) |
〇汚でい 〇工場廃水等の処理後に残るでい状のもの、及び各種製造業の製造工程において生ずるでい状のものであつて、有機質の多分に混入したどろのみを指すのではなく、有機性及び無機性のもののすべてを含むものであること。 〇有機性汚でいの代表的なものとしては、活性汚でい法による処理後の汚でい、パルブ廃液から生ずる汚でい、その他動植物性原料を使用する各種製造業の廃水処理後に生ずる汚でい(令第二条第四号に掲げる産業廃棄物に該当するものを除く。)、ビルピット汚でい(し尿を含むものを除く。)があること。 〇無機性汚でいの代表的なものとしては、赤でい、けい藻土かす、炭酸カルシウムかす、廃白土、浄水場の沈でん池より生ずる汚でいがあること。 〇ただし、赤でいにあつては、廃アルカリとの混合物として、廃白土にあつては、廃油との混合物として取り扱うものであること |
通達 建設工事の廃棄物 |
〇建設工事から排出される産業廃棄物の具体的例示 含水率が高く微細な泥状の掘削物 掘削物を標準ダンプトラックに山積みできず、またその上を人が歩けない状態(コーン指数が おおむね200kN/㎡以下または一軸圧縮強度がおおむね50kN/㎡以下) 具体的には場所打杭工法・泥水シールド工法等で生ずる廃泥水 |
通達 医療機関の廃棄物 |
〇医療関係機関等から排出される産業廃棄物の具体的例示 血液(凝固したものに限る。)、検査室・実験室等の排水処理施設から発生する汚泥、その他の汚泥 |
3.廃油 (法第2条第4項) ※全ての事業活動が対象 |
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通達 (S46環整45号) |
〇廃油 〇鉱物性油及び動植物性油脂に係るすべての廃油を含むものとし、潤滑油系、絶縁油糸、洗浄用油系及び切削油系の廃油類、廃溶剤類及びタールピッチ類(常温において固形状を呈するものに限る。)があること。 〇硫酸ピッチ及びタンクスラッジは、それぞれ廃油と廃酸の混合物及び廃油と汚でいの混合物として取り扱うものであること |
通達 建設工事の廃棄物 |
〇建設工事から排出される産業廃棄物の具体的例示 防水アスファルト、アスファルト乳剤等の使用残さ(タールピッチ類) |
通達 医療機関の廃棄物 |
〇医療関係機関等から排出される産業廃棄物の具体的例示 アルコール、キシロール、クロロホルム等の有機溶剤、灯油、ガソリン等の燃料油、入院患者の給食に使った食料油、冷凍機やポンプ等の潤滑油、その他の油 |
4.廃酸 (法第2条第4項) ※全ての事業活動が対象 |
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通達 (S46環整45号) |
〇廃酸 〇廃硫酸、廃塩酸、各種の有機廃酸類をはじめ酸性の廃液のすべてを含むものであること。 〇したがつて、アルコール又は食用のアミノ酸の製造に伴って生じた発酵廃液は廃酸に該当するものであること。 〇廃酸は、液状の産業廃棄物であるが、水素イオン濃度指数を五・八以上八・六以下に調整した場合に生ずる沈でん物は汚でいと同様に取り扱つて差し支えないものであること |
通達 医療機関の廃棄物 |
〇医療関係機関等から排出される産業廃棄物の具体的例示 レントゲン定着液、ホルマリン、クロム硫酸、その他の酸性の廃液 |
5.廃アルカリ (法第2条第4項) ※全ての事業活動が対象 |
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通達 (S46環整45号) |
〇廃アルカリ 〇廃ソーダ液、金属せつけん液をはじめアルカリ性の廃液のすべてを含むものであること。 〇したがつて、カーバイトかすは、廃アルカリとしてではなく汚でいとして取り扱い、埋立処分にあたつては、浸出液の処理を行なうこと。 〇廃アルカリの水素イオソ濃度指数を調整した場合に生ずる沈でん物の取扱いは、廃酸の場合と同様とするものであること。 〇なお、工場廃液は、(4)若しくは(5)又は(4)及び(5)の混合物として取り扱うものであること |
通達 医療機関の廃棄物 |
〇医療関係機関等から排出される産業廃棄物の具体的例示 レントゲン現像廃液、血液検査廃液、廃血液(凝固していない状態のもの)、その他のアルカリ性の液 |
6.廃プラスチック類 (法第2条第4項) ※全ての事業活動が対象 |
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通達 (S46環整45号) |
〇廃プラスチック類 〇合成樹脂くず、合成繊維くず、合成ゴムくず等合成高分子系化合物に係る固形状及び液状のすべての廃プラスチック類を含むものであること |
通達 建設工事の廃棄物 |
〇建設工事から排出される産業廃棄物の具体的例示 廃発泡スチロール等梱包材、廃ビニール、合成ゴムくず、廃タイヤ、廃シート類 |
通達 医療機関の廃棄物 |
〇医療関係機関等から排出される産業廃棄物の具体的例示 合成樹脂製の器具、レントゲンフィルム、ビニルチューブ、その他の合成樹脂製のもの |
7.紙くず (令第2条第1号) ※特定の事業活動が対象 |
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特定の事業活動に 伴うものが対象 |
・建設業に係るもの (工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る。) ・パルプ、紙又は紙加工品の製造業 ・新聞業(新聞巻取紙を使用して印刷発行を行うものに限る。) ・出版業(印刷出版を行うものに限る。) ・製本業 ・印刷物加工業 |
全ての事業活動に 伴うものが対象 |
・ポリ塩化ビフェニルが染み込んだもの |
政令第2条第1号 | 〇紙くず(建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る。)、パルプ、紙又は紙加工品の製造業、新聞業(新聞巻取紙を使用して印刷発行を行うものに限る。)、出版業(印刷出版を行うものに限る。)、製本業及び印刷物加工業に係るもの並びにポリ塩化ビフェニルが塗布され、又は染み込んだものに限る。) |
通達 (S46環整45号) |
〇令第二条第一号に掲げる産業廃棄物 「紙くず」という。 〇産業廃棄物に該当するものは、 日本標準産業分類による大分類E(D 建設業)に該当する事業の事業活動に伴って生ずる紙くずであって工作物の新築、改築(増築を含む。)又は除去に伴って生じたもの、 中分類一八(14 パルプ・紙・紙加工品製造業)、小分類一九一(413 新聞業)のうち新聞巻取紙を使用して印刷発行を行なう細分類一九一一(4131 新聞業)、細分類一九二一(4141 出版業)のうち印刷出版を行なうもの、 細分類一九五一(1531 製本業)及び一九五二(1532 印刷物加工業)に該当する事業の事業活動に伴って生ずる紙くずであつて、壁紙、障子、紙、板紙等の古紙が含まれるものであること |
通達 建設工事の廃棄物 |
〇建設工事から排出される産業廃棄物の具体的例示 工作物の新築、改築、又は除去に伴って生ずる紙くず(具体的には包装材、段ボール、壁紙くず) |
8.木くず (令第2条第2号) ※特定の事業活動が対象 |
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特定の事業活動に 伴うものが対象 |
・建設業に係るもの (工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る。) ・木材又は木製品の製造業(家具の製造業を含む。) ・パルプ製造業 ・輸入木材の卸売業 ・物品賃貸業に係るもの |
全ての事業活動に 伴うものが対象 |
・貨物の流通のために使用したパレット ・ポリ塩化ビフェニルが染み込んだもの |
政令第2条第2号 | 〇木くず(建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る。)、木材又は木製品の製造業(家具の製造業を含む。)、パルプ製造業、輸入木材の卸売業及び物品賃貸業に係るもの、貨物の流通のために使用したパレット(パレットへの貨物の積付けのために使用したこん包用の木材を含む。)に係るもの並びにポリ塩化ビフェニルが染み込んだものに限る。) |
通達 (S46環整45号) |
〇令第二条第二号に掲げる産業廃棄物 「木くず」という。 〇産業廃棄物に該当するものは、 日本標準産業分類による大分類E(D 建設業)に該当する事業の事業活動に伴って生ずる木くずであつて工作物の新築、改築(増築を含む。)又は除去に伴って生じたもの、 中分類一六(12 木材・木製品製造業)、小分類一七一(131 家具製造業)及び一八ー(141 パルプ製造業)に該当する事業の事業活動に伴って生ずる木くず並びに輸入木材の輸入を業務の一部又は全部として行なつている総合商社、 貿易商社等の輸入木材に係る木くずであつておがくず、バーク類等が含まれるもので |
通達 建設工事の廃棄物 |
〇建設工事から排出される産業廃棄物の具体的例示 工作物の新築、改築、又は除去に伴って生ずる木くず(具体的には型枠、足場材等、内装・建具工事等の残材、抜根・伐採材、木造解体材等) |
9.繊維くず (令第2条第3号) ※特定の事業活動が対象 |
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特定の事業活動に 伴うものが対象 |
・建設業に係るもの (工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る。) ・繊維工業(衣服その他の繊維製品製造業を除く。) |
全ての事業活動に 伴うものが対象 |
・ポリ塩化ビフェニルが染み込んだもの |
政令第2条第3号 | 〇繊維くず(建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る。)、繊維工業(衣服その他の繊維製品製造業を除く。)に係るもの及びポリ塩化ビフェニルが染み込んだものに限る。) |
通達 (S46環整45号) |
〇令第二条第三号に掲げる産業廃棄物 「繊維くず」という。 〇産業廃棄物に該当するものは、 日本標準産業分類による大分類E(D 建設業)に該当する事業の事業活動に伴って生ずる繊維くずであって工作物の新築、改築(増築を含む。)又は除去に伴って生じたもの、 中分類一四(11 繊維工業)に該当する事業の事業活動に伴って生ずる繊維くずであつて、畳、じゅうたん、木綿くず、羊毛くず等の天然繊維くずが含まれるものであること |
通達 建設工事の廃棄物 |
〇建設工事から排出される産業廃棄物の具体的例示 工作物の新築、改築又は除去に伴って生ずる繊維くず(具体的には廃ウエス、縄、ロープ類) |
10.動植物性残さ (令第2条第4号) ※特定の事業活動が対象 |
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特定の事業活動に 伴うものが対象 |
・食料品製造業 ・医薬品製造業 ・香料製造業 |
政令第2条第4号 | 〇食料品製造業、医薬品製造業又は香料製造業において原料として使用した動物又は植物に係る固形状の不要物 |
通達 (S46環整45号) |
〇令第二条第四号に掲げる産業廃棄物 「動植物性残さ」という。 〇産業廃棄物に該当するものは、 日本標準産業分類による中分類一二(09 食料品製造業)及び一三(10 飲料・たばこ・飼料製造業)(小分類一三五(105 たばこ製造業)を除く。)、小分類二〇六(165 医薬品製造業)及び細分類二〇九三(1693 香料製造業)に該当する事業の事業活動に伴って生ずる動植物性残さであって、あめかす、のりかす、醸造かす、発酵かす、魚及び獣のあら等が含まれるものであること。 〇魚市場、飲食店等から排出される動植物性残さ又は厨芥類は、事業活動に伴って生じた一般廃棄物として取り扱うものであること |
11.動物系固形不要物 (令第2条第4号の2) ※特定の事業活動が対象 |
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特定の事業活動に 伴うものが対象 |
・と畜場で解体した獣畜の固形不要物 ・食鳥処理場で食鳥処理した食鳥の固形不要物 |
政令第2条 第4号の2 |
〇と畜場法 (昭和二十八年法律第百十四号)第三条第二項 に規定すると畜場においてとさつし、又は解体した同条第一項 に規定する獣畜及び食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律 (平成二年法律第七十号)第二条第六号 に規定する食鳥処理場において食鳥処理をした同条第一号 に規定する食鳥に係る固形状の不要物 |
通達 (S46環整45号) |
〇令第二条第四号の二に掲げる産業廃棄物 「動物系固形不要物」という。 〇と畜場及び食鳥処理場において家畜の解体等により生じた骨等の固形状の残さ物のうち不要とされるものが含まれるものであること。 〇なお、家畜の解体等に伴い発生する血液等の液体の不要物は、産業廃棄物たる廃酸又は廃アルカリとして扱うこと |
12.ゴムくず (令第2条第5号) ※全ての事業活動が対象 |
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政令第2条第5号 | 〇ゴムくず |
通達 (S46環整45号) |
〇令第二条第五号に掲げる産業廃棄物 天然ゴムくずが含まれるものであること |
通達 建設工事の廃棄物 |
〇建設工事から排出される産業廃棄物の具体的例示 天然ゴムくず |
通達 医療機関の廃棄物 |
〇医療関係機関等から排出される産業廃棄物の具体的例示 天然ゴムの器具類、ディスポーザブルの手袋等 |
13.金属くず (令第2条第6号) ※全ての事業活動が対象 |
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政令第2条第6号 | 〇金属くず |
通達 (S46環整45号) |
〇令第二条第六号に掲げる産業廃棄物 〇鉄鋼又は非鉄金属の研磨くず及び切削くず等が含まれるものであること |
通達 建設工事の廃棄物 |
〇建設工事から排出される産業廃棄物の具体的例示 鉄骨鉄筋くず、金属加工くず、足場パイプ、保安塀くず |
通達 医療機関の廃棄物 |
〇医療関係機関等から排出される産業廃棄物の具体的例示 金属製機械器具、注射針、金属製ベッド、その他の金属製のもの |
14.ガラスくず (令第2条第7号) ※全ての事業活動が対象 |
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政令第2条第7号 | 〇ガラスくず、コンクリートくず(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものを除く。)及び陶磁器くず |
通達 (S46環整45号) |
〇令第二条第七号に掲げる産業廃棄物 「ガラスくず」という。 〇ガラスくず、耐火れんがくず、コンクリートくず、陶磁器くず等が含まれるものであること。 〇ただし、コンクリートくずについては、令第二条第九号に掲げる産業廃棄物に含まれるものは除かれること |
通達 建設工事の廃棄物 |
〇建設工事から排出される産業廃棄物の具体的例示 ガラスくず、製品の製造過程で生じるコンクリートブロック、インターロッキングブロックのくず、タイル衛生陶磁器くず、耐火れんがくず |
通達 医療機関の廃棄物 |
〇医療関係機関等から排出される産業廃棄物の具体的例示 アンプル、ガラス製の器具、びん、その他のガラス製のもの、ギブス用石膏、陶磁器の器具、その他の陶磁器製のもの |
15.鉱さい (令第2条第8号) |
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政令第2条第8号 | 〇鉱さい |
通達 (S46環整45号) |
〇令第二条第八号に掲げる産業廃棄物 〇高炉、平炉等の残さい、キューポラのノロ、ボタ、不良鉱石、不良石炭、粉炭かす等が含まれるものであること |
16.がれき類 (令第2条第9号) ※全ての事業活動が対象 |
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政令第2条第9号 | 〇工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物 |
通達 (S46環整45号) |
〇令第二条第九号に掲げる産業廃棄物 「がれき類」という。 〇工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたコンクリートの破片、その他各種の廃材の混合物を含むものであって、もっぱら土地造成の目的となる土砂に準じた物を除くものであること。 〇ただし、地下鉄の工事現場等から排出される含水率が高く、粒子の微細なでい状のものにあっては、無機性の汚でいとして取り扱うものであること |
通達 建設工事の廃棄物 |
〇建設工事から排出される産業廃棄物の具体的例示 工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物 ①コンクリート破片、②アスファルト・コンクリート破片、③れんが破片 |
17.家畜のふん尿 (令第2条第10号) ※特定の事業活動が対象 |
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特定の事業活動に 伴うものが対象 |
・畜産農業の牛、馬、豚、にわとり等のふん尿 |
政令第2条第10号 | 〇動物のふん尿(畜産農業に係るものに限る。) |
通達 (S46環整45号) |
〇令第二条第十号に掲げる産業廃棄物 「家畜ふん尿」という。 〇産業廃棄物に該当するものは、 日本標準産業分類による小分類〇一二(012 畜産農業)に該当する事業の事業活動に伴って生ずる動物のふん尿(畜舎廃水を含む。)であって、 牛、馬、豚、めん羊、山羊、にわとり、あひる、がちょう、うずら、七めん鳥、兎及び毛皮獣等のふん尿が含まれるものであること。 〇なお、家畜ふん尿を動物のふん尿処理施設において処理した後に生じるでい状物は、汚でいに該当するものであること |
18.家畜の死体 (令第2条第11号) ※特定の事業活動が対象 |
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特定の事業活動に 伴うものが対象 |
・畜産農業の牛、馬、豚、にわとり等の死体 |
政令第2条第11号 | 〇動物の死体(畜産農業に係るものに限る。) |
通達 (S46環整45号) |
〇令第二条第十一号に掲げる産業廃棄物 「家畜の死体」という。 〇産業廃棄物に該当するものは、 日本標準産業分類による小分類〇一二(012 畜産農業)に該当する事業の事業活動に伴って生ずる動物の死体であって、動物の種類は、ふん尿の場合と同様であること |
19.ダスト類 (令第2条第12号) ※特定の事業活動が対象 |
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政令第2条第12号 | 〇大気汚染防止法 (昭和四十三年法律第九十七号)第二条第二項 に規定するばい煙発生施設、ダイオキシン類対策特別措置法第二条第二項 に規定する特定施設(ダイオキシン類(同条第一項 に規定するダイオキシン類をいう。以下同じ。)を発生し、及び大気中に排出するものに限る。)又は次に掲げる廃棄物の焼却施設において発生するばいじんであつて、集じん施設によつて集められたもの (略) |
通達 (S46環整45号) |
〇令第二条第十二号に掲げる産業廃棄物 「ダスト類」という。 〇産業廃棄物に該当するものは、大気汚染防止法に規定するばい煙発生施設において発生するばいじんであつて、集じん施設において捕捉されたものであること。なお、集じん施設の集じん方法は、乾式、湿式のいずれの方法であるかは問わないものであること |
通達 医療機関の廃棄物 |
〇医療関係機関等から排出される産業廃棄物の具体的例示 大気汚染防止法第2条第2項のばい煙発生施設及び汚泥、廃油等の産業廃棄物の焼却施設の集じん施設で回収したもの |
20. 上記の処理物 (令第2条第13号) |
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政令第2条第13号 | 〇燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、前各号に掲げる廃棄物(第一号から第三号まで、第五号から第九号まで及び前号に掲げる廃棄物にあつては、事業活動に伴って生じたものに限る。)又は法第二条第四項第二号 に掲げる廃棄物を処分するために処理したものであつて、これらの廃棄物に該当しないもの |
(2) 事業活動で発生した廃棄物で特別管理産業廃棄物となるもの
廃油 |
通達 建設工事の廃棄物 |
〇建設工事から排出される特別管理廃棄物の具体的例示 揮発油類、灯油類、軽油類 |
廃PCB等及びPCB汚染物 |
通達 建設工事の廃棄物 |
〇建設工事から排出される特別管理廃棄物の具体的例示 トランス、コンデンサ、蛍光灯安定器 |
廃石綿等 |
通達 建設工事の廃棄物 |
〇建設工事から排出される特別管理廃棄物の具体的例示 飛散性アスベスト廃棄物 |
(3) 事業活動で発生した廃棄物で一般廃棄物となるもの
事業者が排出するもので一般廃棄物となるもの ※特定の事業者が対象 |
通達 建設工事の廃棄物 |
〇建設工事から排出される一般廃棄物の具体的例示 現場事務所における生ごみ、新聞、雑誌等 |
通達 医療機関の廃棄物 |
〇「特定の事業活動に伴って排出される紙くず、木くず、繊維くず、動植物性残さ、動物系固形不要物、動物のふん尿、動物の死体」は産業廃棄物に区分されるが、医療関係機関等の事業活動は「特定の事業活動」に該当しないため、当該機関から排出される場合は一般廃棄物に区分される。 〇医療関係機関等から排出される一般廃棄物の具体的例示 紙くず類、厨芥、繊維くず(包帯、ガーゼ、脱脂綿、リネン類)、木くず、皮革類、実験動物の死体、これらの一般廃棄物を焼却した「燃え殻」等 |
(4) 事務所の引越時に発生する廃棄物の取扱いについて(通達)
※事務所整理等により発生する廃棄物事業者が排出する廃棄物の扱いについて |
事務用・応接用の机、椅子、本棚、ロッカー、カーペット等 | 〇材質に応じ、産業廃棄物である金属くず、廃プラスチック類、ガラス・陶磁器くずに該当 |
〇金属、廃プラスチック、ガラス、陶磁器と木製又は繊維製若しくは皮製のものの複合製品は、総体として産業廃棄物に該当 | |
〇上記以外の木製の机、椅子などのものは、一般廃棄物に該当 | 電気機器 | 〇材質に応じ、産業廃棄物である金属くず、廃プラスチック類、ガラス・陶磁器くずに該当 |
〇コンピューター、プリンター、ケーブルその他の附属機器 パソコンリサイクルの回収・再生利用を実施しているメーカーに委託する。 又は産業廃棄物業者へ委託する。 |
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〇テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機(家電4品目) 家電リサイクル法に基づき処理する。 又は産業廃棄物業者へ委託する。 |
パンチ、バインダー等 | 〇材質に応じ、産業廃棄物である金属くず、廃プラスチック類に該当 〇紙くず類は、一般廃棄物に該当 |
雑誌、書籍、書類 | 〇通常の業務で不要とされるものは、一般廃棄物に該当 〇特定の事業活動である製紙工場、印刷工場などから出てくるものは産業廃棄物(紙くず)に該当 |
7.関係情報について (※各HPにリンクします。)
法令等
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 (昭和45年法律第137号)
※略称名は「廃棄物処理法」「廃掃法」など - 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令 (昭和46年政令第300号)
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則 (昭和46年厚生省令第35号)
環境省告示等
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の施行について
(昭和46年10月16日 環整43号)
〇廃棄物の定義、事業者の責務、地方公共団体の責務、地域住民の義務
〇産業廃棄物に関する事項、投棄禁止 - 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の施行について
(昭和46年10月16日 環784号)
〇全般的事項、立法の趣旨 - 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の運用に伴う留意事項について
(昭和46年10月25日 環整45号)
〇廃棄物の範囲等に関すること。
〇法第2条第4項及び令第2条に規定された産業廃棄物の詳細を「別紙」欄に示している。 -
建設工事から生ずる廃棄物の適正処理について(通知)
(環廃産第110329004号 平成23年3月30日) - 廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル
(平成 24年5月環境省大臣官房 廃棄物・リサイクル対策部)
- 引越時に発生する廃棄物の取扱いについて
(平成15年2月 環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部作成)
環境省の法律・告示・通達の総合目次(HP)
- 環境省の法律・告示・通達(廃棄物・リサイクル編)
〇環境省の総合目次(廃棄物・リサイクル編)です。
日本標準産業分類
- 現行、過去の日本標準産業分類(総務省)
〇現行:日本標準産業分類(平成25年10月改定)(平成26年4月1日施行)