南但ごみ処理施設整備の建設時の質問

 南但ごみ処理施設整備事業に対して、よくある質問や疑問についての回答を紹介します。


1.なぜ今施設整備が必要なの?

2.なぜ施設を広域化するの?

3.建設地の選定はどのようにしたの?

4.どんな施設を計画しているの?

5.事業費はどのくらいかかるの?

6.施設はいつ頃完成するの?

7.施設からのダイオキシンなどによる影響はないの?

8.施設からの悪臭は問題ないの?

9.施設の下流域の水質への影響はないの?

10.今後も環境調査は行われるの?

11.生ごみの資源化としてはほかの方法も考えられないの?

12.バイオマス方式は実績は少ないと聞くが大丈夫なの?

13.生ごみだけの分別収集が必要になるの?

14.バイオマス方式はごみの減量化の妨げにならないの?

15.収集車両による交通への影響はないの?



 

1.なぜ今施設整備が必要なの?

1.
○施設の耐用年数
ごみ処理施設の耐用年数には限度があり、15~20年といわれています。養父市、朝来市の焼却施設は、いずれも稼動後18年を経過しており、 今後の施設 整備に要する期間を考慮すると、速やかな事業実施が必要となっています。また、養父市には破砕施設がなく、朝来市の施設も既に30年近く稼動して、設備の 老朽化が進んでおり、今後の分別収集の推進に対応するためにも、新たなリサイクル施設の整備が必要となっています。

○財源の確保
ごみ処理施設の整備には多額な経費が必要となるため、施設整備にあたっては、国の有利な交付金制度を活用するとともに、両市がそれぞれ対象となる「合併特 例債」の適用期限(養父市:平成25年度、朝来市:平成26年度)までに事業を完成させることが適切です。
 

2.なぜ施設を広域化するの?

2.
○ダイオキシンの発生抑制
今後、ダイオキシンの発生を更に抑制するためには、立ち上げ、立ち下げの少ない24時間連続運転の焼却炉とすることが必要ですが、養父市、朝来市がそれぞ れ単独で施設を整備する場合には、非常に小規模な施設となり、安全で安定したごみ処理が技術的にも困難になります。このことから、両市の施設を統合し、一 定の規模の施設とすることで、ダイオキシンの発生量を更に削減することが可能となります。

○建設コスト・維持管理コストの削減
南但での広域化施設とすることで、施設は一箇所に集約でき、別々に整備するよりも建設コストや維持管理コストを大幅に縮減することができます。
 

3.建設地の選定はどのようにしたの?

3.
南但の旧8町から計16箇所の適地を選び、立地、社会、自然、環境、経済条件により評価検討を行った結果、 最も条件のよい朝来市和田山町高田地内(右岸道路沿い)を建設地としました。
 

4.どんな施設を計画しているの?

4.
可燃ごみをメタン発酵と焼却により処理する「高効率原燃料回収施設」と資源ごみ、 不燃ごみなどを資源化する「リサイクルセンター」を整備します。
 

5.事業費はどのくらいかかるの?

5.
建設工事、調査・設計等を含めて、全体で約80億円を見 込んでいます。財源については交付金及び合併特例債を活用し、できるだけ両市の負担が少なくなるようにします。
 

6.施設はいつ頃完成するの?

6.
現在のスケジュールでは、平成25年5月の竣工を予定しています。その後、現在の養父市・朝来市の 施設を解体・撤去し、跡地にストックヤードを整備します。
 

7.施設からのダイオキシンなどによる影響はないの?

7.
ダイオキシンをはじめとする有害物質の排出量を削減するためには、まず、焼却する ごみの量を減らすことが必要です。このため、南但地域では、市民一人ひとりの減量化への取り組み、紙製及びプラスチック製容器包装の分別資源化、古紙類の 更なる集団回収などにより、排出される可燃ごみの量を現状の8割程度まで削減する目標としています。また、バイオマス+焼却方式を採用することにより、焼 却するゴミの量は6割程度まで減るものと見込んでいます。
次に、焼却炉は安定燃焼を図るため24時間連続運転とし、排ガス中の濃度については、下記のとおり、法で定められた基準より更に厳しい自主規制基準を設け ることとしています。これらの対策により、生活環境影響調査においても問題のないレベルになっています。
焼却施設からの排ガスの自主規制基準
項目 自主規制基準 法による基準 単位
ばいじん 0.04未満 0.15未満 g/m3N
排ガス中ダイオキシン類 0.05未満 5未満 ng-TEQ/m3N
飛灰中ダイオキシン類 3未満 3未満 ng-TEQ/g
一酸化炭素 30未満 30未満 ppm
塩化水素 200未満 430未満 ppm
硫黄酸化物 1.75未満 17.5未満 K値
窒素酸化物 150未満 250未満 ppm
 

8.施設からの悪臭は問題ないの?

8.
機密性の高い建物構造とするとともに、建物内部の気圧を外部より低くすることで臭 気の漏洩を防止し、発生した臭気は燃焼、活性炭吸着などにより脱臭を行います。このため、屋外では臭気はしないことを原則として対処していきたいと考えて います。また、施設稼動後は、敷地境界において毎年悪臭の測定を行い、結果を公表します。
 

9.施設の下流域の水質への影響はないの?

9.
「最終処分場」については、建設地に整備しないというように計画を変更しています。 また、整備する「高効率原燃料回収施設」及び「リサイクルセンター」からの排水は施設内で処理を行って、再利用する計画としていることから、 河川への放流をしないクローズドシステムとすることにしています。
 

10.今後も環境調査は行われるの?

10.
今後は、これまで行ってきた生活環境影響調査とは別に、施設の稼動前と稼動後の周 辺の状況を定期的に調査し、そして、その測定結果を公表しながら、状況の把握に努めてまいりたいと考えています。なお、調査項目、調査地点については、周 辺地区の皆さんと協議して定めています。
 

11.生ごみの資源化としてはほかの方法も考えられないの?

11.
ほかの方法としては、飼料化、堆肥化が考えられますが、生ごみだけを分別収集し、 選別を行ったとしても異物を完全に除去することは難しく、加え、品質のばらつき、イメージの悪さなどから、安定的に需要先を確保することは困難だと判断さ れます。
 

12.バイオマス方式は実績は少ないと聞くが大丈夫なの?

12.
汚泥、畜産糞尿を対象としたメタン醗酵は、かなり古くから行われており、現在でも 多くの施設が稼動しています。これに対し、家庭などから排出される生ごみ、紙類などを対象とした施設は、国内での実績は少ないものの、海外ではスイス、ド イツを中心に約30施設が稼動しており、一番古い施設は稼動後17年を経過しています。また、日本の施設もこれまで順調に稼動しています。バイオマス+焼 却方式は、処理工程のすべてが既存技術の組み合わせであることから、大きなトラブルがないといわれており、処理に支障をきたすような事態にはならないと考 えています。
 

13.生ごみだけの分別収集が必要になるの?

13.
可燃ごみとして収集したものを、施設でメタン発酵に適するものと適さないものに機 械的に選別する設備が開発されています。また、ある程度異物が混じっていても発酵に支障がない処理方式も確立されています。従って、これまでどおり可燃ご みとして指定袋により収集することとしています。
 

14.バイオマス方式はごみの減量化の妨げにならないの?

14.
現在の可燃ごみの中には、紙類、ビニール・プラスチック類といった水分が少なく燃 えやすいごみと生ごみ、紙おしめのように水分が多く燃えにくいごみとがあります。今後はごみの分別資源化により、燃えにくいごみの割合が多くなることが予 想されますが、バイオマス+焼却方式の場合には、燃えやすいごみは焼却施設、燃えにくいごみはバイオマス施設というように、それぞれのごみの性状に適した 処理を行うことができるため、ごみの減量化が進めやすいと考えられます。
 

15.収集車両による交通への影響はないの?

15.
新しく整備する施設に出入りする車両は、収集車両、持込車両を合わせて、延べで1 日100台程度だと予測されます。右岸道路の1日あたりの通行量がおよそ1万台であることから、搬入車両による交通量の極端な増加はないものと思っていま すが、施設への進入については、右折レーンを設け、一般通行の支障をなくしていきたいと考えています。また、搬入ルートについては、できるだけ右岸道路を 通るルートを計画します。